結婚したけど、幸せじゃなかった話

ウェディングドレスを着たとき、
鏡の中の私は、笑っていた。

けど、どこかで、違和感があった。
この笑顔は、“安心”からの笑顔じゃなくて、
“役割”に納まるための微笑みだった。

結婚すれば、何かが変わると思ってた。
寂しさが消えるとか、自信がつくとか、
“私もちゃんと愛されてる”って思えるようになるとか。

でも、実際は──
何も変わらなかった。

帰ってきても会話はない。
触れ合っても、温度を感じない。
一緒にいるのに、ひとりのような夜が続いた。

「結婚したのに、どうして寂しいんだろう」

誰にも言えなかった。
「結婚=幸せ」って、
当たり前のように信じてたから。

でもある日、
小さな声で、自分に問いかけた。

「これが、私の欲しかった“愛”だった?」

答えは、NOだった。

結婚は、ゴールじゃない。
誰かの妻になることが、幸せを運んでくれるわけじゃない。

“誰と生きていくか”より、
“その人と在る自分が、どうあるか”が大事だった。

私は今、ひとり暮らしをしている。
指輪は外した。
でも、自分の心の鍵は、やっと外せた気がする。

「結婚したけど、幸せじゃなかった」
そう言えるようになった私が、
今いちばん、自分を大切にできてる。