わたしが“わたしのまま”愛される日

“誰かに合わせないと、嫌われる”
そんなふうに思ってたのは、いつからだったんだろう。

本音を言うと嫌な顔をされる。
空気を読まないと仲間外れにされる。
そうやって「いい子」を演じるのが、いつの間にか癖になっていた。

誰かにとっての「ちょうどいい女の子」。
でも、私はいつも“わたし”じゃなかった。

──そんな私に、あなたは出会ってしまった。

最初は、ほんの挨拶だけだった。
会社のエントランスで、
同じカフェの常連客として、
行きつけの本屋で同じ棚に手を伸ばしたとき。

きっかけは、どこにでもある偶然。
でも、あなたは気づいてくれた。
私の「ちょっとだけズレたところ」に。

「なんでいつも同じペン使ってるんですか?」
「……え? 気づいてたの?」

「気づくよ、そんな大事そうにしてる顔、してたから」

笑いながら、あなたはそう言った。

そこから、すこしずつ世界が変わった。
あなたは、私の「変なところ」を笑わなかった。
むしろ、面白がってくれた。

好きなものに夢中になると周りが見えなくなることも、
急に静かになることも、
時々不器用に怒ってしまうことも。

「それが、〇〇ちゃんじゃん」って、
全部、まるごと受け止めてくれた。

私は初めて、
誰かの前で“いい子”をやめた。

泣きたい時に泣いて、
笑いたい時に笑って、
「それ、やだ」って言えるようになった。

それなのに──
「今日の君、すごく可愛い」って、あなたは笑ってくれる。

飾らなくても、頑張らなくても、
“わたしのまま”で愛されてるって、
こんなにあたたかいんだ。

ある日、あなたが言った。

「ねぇ、俺、君のこと…」
「うん、知ってるよ」
「え、なにが?」
「全部、好きって言う前から、伝わってた」

笑った私に、あなたはちょっと照れた顔で、
「えー…ほんとに全部?」って聞いてきたけど、

うん、全部。
言葉なんかいらないくらい、
もう心のどこにも不安がなかった。

私は今、
“わたしのまま”で、こんなにも幸せ。