正直に言えば、昔から自分に自信があるほうじゃなかった。
中学の頃も、高校の頃も、あまり目立たないタイプで、
恋愛なんて自分には関係のない世界だと思ってた。
大学に入っても、人付き合いが得意なわけじゃなくて、
授業が終わったらそそくさと帰る日々を過ごしてた。
そんな自分が変わるきっかけになったのは、
ある授業で一緒になった、彩香って子との出会いだった。
とにかく明るくて、誰にでも話しかけるタイプで、
僕みたいな陰キャ寄りのやつにもまったく壁を作らず接してくれてた。
最初はそのテンションにちょっと戸惑ってたんだけど、
「〇〇くんって、ちょっと猫っぽいよね」とか、
「えー意外と話すと面白いじゃん!」とか言われて、気づけば普通に話すようになってた。
ある日、授業終わりに「暇ならちょっとお茶しない?」と誘われて、
初めて2人でカフェに入った。
慣れてない自分はガチガチだったけど、
彩香はそんな空気を察してか、笑って話を回してくれて、
「なんかさ、〇〇くんのそういう不器用なとこ、わたしは嫌いじゃないよ」って言ってくれた。
その言葉が、たぶん最初の“好き”の芽だったと思う。
それから何回か一緒に授業受けたり、休み時間に話したりして、
僕の中では、もう気持ちはほとんど固まっていた。
でも、言えなかった。
自信がなかった。
「俺なんかが好きになっていいのか」とか、そんなことばっかり考えてた。
そんなとき、彩香のほうから突然聞いてきた。
「ねえ、〇〇くんって、好きな子とかいないの?」
心臓が止まりそうになったけど、
笑ってごまかすのも嫌で、勇気を振り絞って言った。
「…いるよ。目の前に」
彩香は一瞬驚いた顔をしたけど、
それからゆっくり、うれしそうに笑ってくれた。
「じゃあ、私も言っちゃおうかな。わたしも、〇〇くんのこと、ちょっとずつ気になってた」
その帰り道、駅までの坂道で、彼女が不意に僕の腕にそっと手を添えた。
ドキッとして、一瞬止まりそうになったけど、
そのまま一緒に歩いた。手はつながなかったけど、それで十分だった。
後日、付き合うことになって、初めてのデートの日。
別れ際、彼女が僕の胸に顔を寄せてきて、
「好きになってくれて、ありがとう」って言ってくれた。
そのとき自然と手が動いて、彼女をそっと抱きしめた。
小柄な彼女の体が思ったよりあたたかくて、
「あぁ、俺にもこんな日が来るんだな」って思った。
もし、あのとき勇気を出さなかったら、
きっと今も僕は“関係のない世界”の外側にいたままだったと思う。
あの一言を言えたあの日の自分を、少しだけ誇りに思ってる。
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