正直に言うと、最初は軽い気持ちでした。
仕事も忙しくて、恋愛は後回しにしていたけれど、どこか心のどこかで「誰かにちゃんと好きって思われたい」と思っていたのかもしれません。
友達に勧められて、半信半疑で始めたマッチングアプリ。
プロフィール文を考えるのも、写真を選ぶのも恥ずかしくて、何度もアプリを閉じては開いての繰り返し。
でも、ある日、ふと気になった人がいました。
写真はスーツ姿の横顔で、どこか真面目そう。
自己紹介には「読書と散歩が好きです。落ち着いた関係を築けたら嬉しいです」と書いてあって、
なんだかそれだけで少し心が引かれました。
「こんにちは。プロフィール読ませてもらって、共感しました」
最初のメッセージは、シンプルだけど丁寧で。
やり取りを重ねるうちに、共通の趣味や価値観がいくつもあることに気づいて、
少しずつ、会話が待ち遠しくなっていきました。
メッセージを始めてから2週間後。
「よかったら、お会いしませんか?」と彼から誘ってくれて。
待ち合わせは、渋谷のカフェ。
当日は、少しだけ早く着いてしまって、ドキドキしながらお店の前で待っていたら──
「〇〇さんですか?」と声をかけてきたのが、写真よりも柔らかい雰囲気の、スーツ姿の彼でした。
第一印象は、「話しやすそうで安心した」。
写真で見るよりも、ずっと穏やかで、目を見て話す人。
カフェでは、趣味の話や仕事の話、家族のことまで自然に話せて、
「これが“フィーリングが合う”ってことなのかも」と思ったくらい、時間があっという間でした。
その後も定期的に会うようになって、2回目は映画館、3回目は代々木公園を散歩して、ベンチで飲んだコーヒーの味が、なぜか今でも思い出せます。
ある日、帰り道に彼がふいに立ち止まって言いました。
「アプリで出会うって、どこか不安だったんだけど、君に会ってからは、もっとちゃんと向き合いたいと思うようになった。よかったら、付き合ってくれませんか?」
その言葉があまりにもまっすぐで、私は一瞬言葉を失ってしまって。
でも、心はちゃんと答えを出していて、自然と「はい」と返していました。
それから付き合って、もうすぐ1年になります。
今はアプリももう使っていないし、むしろ最初の出会いを少し照れくさく思うくらい。
でも、あの時、勇気を出して登録して、彼に出会えたことは、間違いなく私の人生のひとつの転機でした。
マッチングアプリでの恋愛は、不安もあるし、最初は「本当に出会えるの?」って疑ってばかりだったけど、
ちゃんと相手を知ろうとして、時間をかけて築いた関係は、思っていた以上にあたたかくて誠実でした。
恋愛に慎重だった私が、少しだけ心を開いてみたこと。
それが、今の幸せにつながっている。
あのときの自分に、「大丈夫、ちゃんと素敵な人に出会えるよ」って教えてあげたい。
マッチングアプリを通じて出会った彼は、今では私の一番の味方です。