これは、誰にも話したことのない、大切な秘密の話です。
僕は社会人3年目。都内の小さな広告代理店で働いています。忙しさに追われる日々の中で、ひとつだけ、心の支えになっている“存在”がいます。
それは、直属の上司――部長のSさん。10歳以上年上の、知的で頼りになる女性です。職場では厳しくも公平で、どこか冷静な彼女。まさか自分がそんな人を好きになるなんて、最初は思ってもみませんでした。
きっかけは、飲み会の帰り道。終電を逃してしまった僕に「タクシー代もったいないでしょ、うち寄ってく?」と、笑いながら言ったあの言葉でした。
その夜、何かが変わった気がします。
といっても、何かあったわけではありません。ソファで軽くお酒を飲み直して、僕はそのまま寝てしまい、朝起きたら彼女はコーヒーを淹れてくれていた。それだけの夜。
でも、そこから、毎週金曜の夜、終業後にふたりで“なんとなく”時間を過ごすようになりました。居酒屋で他愛ない話をして、終電を気にせずタクシーで彼女の家へ。音楽を流して、紅茶を飲んで、ソファに並んで映画を観る。ただそれだけ。
部屋の灯りの下で彼女が見せる、会社では見たことのない素顔。それを知ってしまったら、もう前みたいには戻れませんでした。
もちろん、誰にも言えません。職場では僕は部下で、彼女は上司。それ以上でも、それ以下でもない。朝になれば「また月曜ね」とだけ言って、彼女は何事もなかったように送り出してくれます。
…でも、金曜の夜が近づくたびに、僕の心はそわそわしてしまう。
これは恋なのか、それともただの依存なのか――自分でもまだ、よくわかっていません。
まとめ:
「ちゃんとしなきゃ」と思う気持ちと、「壊したくない」この時間。
週末だけの、小さな秘密。誰にも言えないけど、今の僕にとっては、確かに“本当の居場所”なのかもしれません。