「今日、俺と手繋ぎたいって思ってた?」
そんなこと、急に言われたら──。
頭が真っ白になって、たぶん目も合わせられないと思う。答えは“はい”なのに、口が全然動かなくて、顔だけ真っ赤になってうつむいてしまいそう。
妄想の中の私は、夕方の帰り道、静かな坂道を彼と並んで歩いてる。まだ付き合ってもいない、でもお互いちょっと意識してる。そんな微妙な距離感の中で、その一言。
「な、なんで…?」
声が震える。恥ずかしいし、でもすっごく嬉しい。でも、そんなの悟られたくなくて、精一杯強がる。
「いや、ずっと気になってたから。今日、さっきからずっと指先モジモジしてるの見てた」
もう、心臓が無理。見てたって、そんな…バレてたなんて…!
「俺はね、思ってたよ。繋ぎたいなって。だから、勇気出して聞いてみた」
彼は、ちょっとだけ照れたように笑って、私の方を見ないで前を見たままそう言う。
そんなの、ズルい。反則。
「……ばか」
そう言っても、声は優しくなってしまう。照れ隠しで肩を軽くぶつけたら、彼は笑って、「じゃあ、繋いでいい?」って小さな声で聞いてくる。
うんって頷く前に、そっと手を包まれてた。
指先が熱くなる。ドキドキが止まらない。でも、不思議と安心もしてて、ただの妄想なのに涙が出そうになる。
「あ、冷たかった?ごめん」
「ちがう、嬉しいの」
本音がぽろっと出てしまって、言ったあと恥ずかしくてうつむいたけど、彼は何も言わずに、ただ手を少しだけ強く握ってくれた。
妄想って、こんなにリアルだったっけ?って思うくらい、心が揺れてる。
でも、いいよね。こんなふうに、ありそうでなさそうな、でもちょっとだけ期待したくなるくらいの優しさに触れる妄想。
「次は、俺から繋ぐね」
その一言で、またしばらく恋の妄想から抜け出せそうにない。
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