彼は、私より三つ年下。
最初は、ただの飲み友達だった。私が仕事の愚痴をこぼすと、彼はいつも黙って聞いてくれて、時々、私の話を真剣な眼差しで聞いて、まっすぐに意見をくれる。歳の差があるのに、彼の言葉はいつも、私を安心させてくれた。
私は、彼のことを「可愛い年下の男の子」としか見ていなかった。でも、ある日、彼の見慣れない一面を見て、私の気持ちは、音を立てて崩れていった。
その日、私たちはいつものカフェにいた。私が仕事の悩みを話していると、彼は、私の手をそっと掴んだ。彼の掌は、私より少し大きくて、少しだけ汗ばんでいて、温かかった。彼の指の節が、私の指の隙間にゆっくりと絡んで、そして、しっかりと私の手を握りしめてくれた。
「俺さ、〇〇さんが一人で頑張ってるの、ちゃんと見てるから。だから、もう一人で抱え込まないで」
彼の声は、いつもより少し低くて、夜のカフェの静けさに響いた。彼のまっすぐな瞳が、私をじっと見つめている。その瞬間、私の心臓はドクンと大きく鳴った。彼は、私が仕事で悩んでいることや、誰にも言えない弱さを、ちゃんと分かってくれていたんだ。
彼の温かさが、私の手のひら全体にじんわりと伝わってきて、胸の奥がキュンと締め付けられた。彼は、ただの年下の男の子じゃない。私をちゃんと見てくれていて、守ってくれる、大切な人なんだと、その時、確信した。
それから、私たちは恋人同士になった。年下の彼氏との生活は、毎日が新鮮で、甘かった。彼は、私を「お姉ちゃん」扱いするのではなく、一人の女性として、大切に扱ってくれた。私が疲れて家に帰ると、彼はいつも、温かいご飯を作って待っていてくれる。
ある日の夜、私がソファでうたた寝していると、彼が私の顔をそっと撫でてくれた。彼の指先は、少し冷たかったけれど、その指から伝わる温かさに、私は目が覚めた。彼の顔は、私のすぐ目の前にあって、まっすぐな瞳が、私を見つめていた。
「…〇〇さんの、そういう無防備な顔も、可愛い」
彼の声は、少し照れていたけれど、その言葉に、私の心は、フワッと宙に浮くみたいだった。彼にとって、私は「頼れる年上の彼女」だけじゃない。彼が守ってあげたい、愛おしい存在なんだって、その時、初めて気づいた。
年下の彼氏との恋は、毎日が驚きと発見の連続だ。彼は、私が今まで知らなかった、新しい世界をたくさん見せてくれる。彼のまっすぐな優しさと、時折見せる男らしい一面。そのギャップに、私は何度も胸キュンしている。
歳の差なんて関係ない。彼の優しい手と、まっすぐな瞳が、私を、世界で一番幸せな女性にしてくれた。