私の秘密と、彼の優しい指先・コンプレックスを愛に変えた夜

私には、誰にも言えない秘密があった。それは、自分の体にある、大きな火傷の跡

小さい頃の事故でできたその火傷の跡は、私の背中に深く、そして醜く残っていた。友達とプールに行く時も、夏に薄着になる時も、私はいつも、この跡を隠すことに必死だった。自分の体を、醜いと、恥ずかしいと、心の底から思っていた。だから、誰かと深く愛し合うなんて、私には無理だと思っていたんだ。

そんな私に、彼ができた。彼は、私のことを、ありのままの私として愛してくれた。私の性格も、癖も、全部を「可愛いね」って言ってくれた。でも、私は、どうしても彼に、この秘密を打ち明けられずにいた。

彼と愛し合うたびに、私はいつも、背中を向けていた。彼が私の体を触ろうとするたびに、私は、無意識に、彼の手に触れないように体を動かしていた。彼も、そんな私の態度に、少しだけ寂しそうな顔をしていた。

ある夜、彼が、私を優しく抱きしめた。

「ねぇ、どうしていつも、俺に背中を向けるの?」

彼の声は、とても穏やかだった。私は、何も言えなくて、ただ震えていた。彼にこの秘密を打ち明けるのが怖かった。彼に、私の醜い火傷の跡を見せて、幻滅されるのが怖かった。

「…私には、誰にも言えない秘密があるの」

私がそう言うと、彼は何も言わずに、ただ私を抱きしめる腕を、少しだけ強くした。彼の腕の温かさが、私を包み込んで、私の心を落ち着かせてくれる。

「…大丈夫だよ。どんな〇〇でも、俺は愛してるから」

彼の言葉に、私は、胸の奥から、ずっと我慢していた涙が溢れ出した。私の体は、醜い。誰からも愛されない。そう、信じていた。でも、彼の言葉は、私の心を、温かい光で満たしてくれた。

私は、彼に、ゆっくりと背中を向けた。そして、震える手で、服を脱いだ。彼の視線が、私の背中に注がれているのが分かった。私は、怖くて、目を閉じようとした。でも、彼の指が、私の背中の火傷の跡にそっと触れた

彼の指先は、温かかった。彼が私の体に触れるたびに、私の体から、震えが止まらない。でも、それは、恐怖の震えではなく、安堵の震えだった。彼の指は、私の火傷の跡を、優しく、何度も何度も、なぞってくれた。まるで、それが、この世で一番美しいものかのように。

「…きれいな跡だね。〇〇が、頑張って生きてきた証だ」

彼の声は、とても優しかった。彼の言葉に、私の心は、初めて、温かく満たされた。私は、彼の腕の中で、声を上げて泣いた。それは、何十年も溜め込んでいた、私の心の痛みが、溶けていく涙だった。

彼の温かい指先と、優しい言葉が、私のコンプレックスを、愛へと変えてくれた。私は、初めて、自分の体を、醜いと思わずに見つめることができた。彼の腕の中で、私は、誰よりも美しく、愛されていると、そう感じることができた。