マッチングアプリで知り合った彼と、3回目のデートで気づいた「本気の恋」

「恋って、こんな風に始まるんだ」

そう思えたのは、マッチングアプリで出会った彼と3回目のデートをした帰り道だった。

私は25歳、都内で事務職をしている。出会いのきっかけがほとんどない生活の中で、少し勇気を出して始めたマッチングアプリ。最初は正直、あまり期待していなかった。写真が盛られてるとか、遊び目的ばかりとか、悪い噂ばかり聞いていたから。

でも、彼──柊(しゅう)くんは違った。

最初のメッセージはとても丁寧で、いきなりタメ口でもなく、スタンプ連打でもなく、真面目なやりとりが心地よかった。プロフィール写真の笑顔も自然で、自己紹介文に「読書とカフェ巡りが好き」と書いてあったのもなんか安心できた。

メッセージのやり取りを2週間ほど続けて、自然な流れで「お茶でも行きませんか?」と誘われた。

待ち合わせ場所は新宿の駅前。白シャツに落ち着いたベージュのパンツというシンプルな格好の彼を見た瞬間、写真よりも好印象だった。

最初のカフェでは、お互い緊張していたせいか会話がぎこちなかったけど、本の話題になると一気に距離が縮まった。

「最近読んだ『流浪の月』って小説、めっちゃ泣けました」
「私も!最後の展開、予想外でしたよね」

2時間があっという間だった。

2回目は彼が選んでくれた代官山の小さなカフェでランチ。
このとき、私はちょっとだけ彼にときめき始めていた。食べ方がきれいで、話すときにちゃんと目を見てくれるところとか、歩くときに自然と歩幅を合わせてくれるところ。

そして迎えた3回目のデート。

行き先は、彼が「もしよかったら行ってみたい」と言ってくれた江ノ島。
観光地デートってちょっと重いかなと思ったけど、会うたびに「もっと話したい」と思える人だったから、迷いはなかった。

江ノ電に揺られながら、お互いの学生時代の話をした。
「塾の帰り道に、好きな子と手が触れて意識しちゃった」とか、
「文化祭でバンド演奏して失敗した」とか。

夕方、海が見える高台のベンチでふたり並んで座ったとき、風がふっと吹いて、彼の髪が揺れた。
その横顔を見て、私は気づいてしまった。

「あ、この人のことが本当に好きだ」

告白されたわけじゃない。手も繋いでない。
でも、彼が私に見せてくれた穏やかな笑顔や、共通の価値観を持って過ごす時間が、何より心地よくて、それが恋だって思えた。

帰り際、駅の改札前で立ち止まった彼が、少し照れたように言った。

「今日、来てくれてありがとう。もっと一緒にいたいって思った」

私はうなずくだけしかできなかったけど、その一言で、この3週間の全てが報われた気がした。

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