寝てた私の荷物を、黙って持ってくれてた彼の背中
あれは、たしか遠足の帰りだったと思います。 バスの中で窓側に座って、みんなで騒いだあとだったせいか、すごく眠くなってしまって。周りがまだ少しうるさかったけど、気づいたら寝てしまっていたみたいです。 目が覚めたとき、バスは … 続きを読む
あれは、たしか遠足の帰りだったと思います。 バスの中で窓側に座って、みんなで騒いだあとだったせいか、すごく眠くなってしまって。周りがまだ少しうるさかったけど、気づいたら寝てしまっていたみたいです。 目が覚めたとき、バスは … 続きを読む
中学の頃から一緒に登下校していた隣の家の悠真くんとは、特別な関係じゃないはずだった。 お互いの家を行き来したり、一緒にテスト勉強したり、朝はだいたい同じタイミングで家を出て、学校までの坂道を並んで歩く。小さい頃からの延長 … 続きを読む
その日はちょっとしたミスで、家に教科書を忘れてきてしまった。 1限目の授業中、先生に「次からは気をつけなさいね」と注意されて、周りの視線が少しだけ刺さった気がして、正直落ち込んでた。 でも昼休み、教室に戻ると、自分の机の … 続きを読む
夏休みに入ってすぐ、家族で毎年恒例の海に出かけた。 小さい頃から来ている場所だから、景色も匂いもなんとなく覚えていて、波打ち際を歩いていると懐かしさで胸がいっぱいになった。 そのとき、遠くからこっちに手を振る人がいた。 … 続きを読む
高校2年の春、私は父の転勤で転校することになった。 新しい学校の初日は、期待よりも不安のほうがずっと大きかった。教室のドアを開けた瞬間、見慣れない顔ばかりの中で、どう振る舞えばいいのか分からなかった。 先生に紹介されて席 … 続きを読む
高校に入ってすぐの頃、私はお昼休みがちょっと苦手だった。 友達ができるのが遅くて、一人でお弁当を食べるのが気まずくて、教室の隅っこで食べたり、たまにトイレにこもったり。誰にも嫌われてるわけじゃないのに、なんとなく輪に入り … 続きを読む
予報では降らないって言ってたのに、放課後の空はどんよりと曇っていて、校門を出た瞬間にぽつぽつと雨が降り出した。 「うそでしょ……」 私は傘を持ってなかった。近くのコンビニまで行くにも、濡れるしかない。でも制服は洗ったばか … 続きを読む
「今日はさ、ちょっとだけ遠回りしない?」 そんな彼の一言で、いつもとは違う帰り道を歩くことになった。放課後、校門を出た瞬間に夕陽がちょうど沈みかけていて、空がやさしいオレンジ色に染まっていた。 「このへん、あんまり来たこ … 続きを読む
高校の時から一人でふらっと入るのが好きだった、駅前のあの古いカフェ。飾りっ気のない木のテーブルと、店内に流れる静かなジャズ。大学生になっても、空きコマの合間に本を読んだりレポートを書いたり、静かに時間を過ごせるその場所は … 続きを読む
大学に入学したばかりの頃、私は希望と同時に大きな不安を抱えていました。新しい環境、新しい人間関係に馴染めるだろうか。真面目な性格ゆえに、ついつい周りに気を遣いすぎてしまう自分に、少し疲れてしまうこともありました。高校まで … 続きを読む
高校に入学したばかりの頃、私、茜は、新しい環境に馴染むのに必死でした。中学時代とは違う顔ぶれ、違う雰囲気。誰もがキラキラして見えて、そんな中で私だけがポツンと取り残されているような、漠然とした不安をいつも抱えていたんです … 続きを読む