傘がなくて立ち尽くしてた私に、さりげなく差し出されたあの傘

予報では降らないって言ってたのに、放課後の空はどんよりと曇っていて、校門を出た瞬間にぽつぽつと雨が降り出した。 「うそでしょ……」 私は傘を持ってなかった。近くのコンビニまで行くにも、濡れるしかない。でも制服は洗ったばか … 続きを読む

手紙でしか伝えられなかった、まっすぐな気持ち

「今日はさ、ちょっとだけ遠回りしない?」 そんな彼の一言で、いつもとは違う帰り道を歩くことになった。放課後、校門を出た瞬間に夕陽がちょうど沈みかけていて、空がやさしいオレンジ色に染まっていた。 「このへん、あんまり来たこ … 続きを読む

あの人、初めて会った気がしなかった――陶芸教室で出会った彼と

大学の卒業を控えていた冬、私は就活や卒論の疲れから、心が少しだけすり減っていた。 家と大学、図書館とカフェを往復するだけの日々。SNSを見ても、誰かと比べては落ち込んでばかり。 そんなとき、たまたま駅前で見かけたポスター … 続きを読む

お母さんの話をする君に、恋をした

大学2年の夏、私は友達の紹介で始めたボランティアサークルで、彼に出会った。 名前は直哉(なおや)くん。最初に見た時の印象は、“ちょっと無愛想そうな人”。 活動中もあまり笑わず、いつも一歩引いたところから全体を見ているよう … 続きを読む

それって“好き”なの?って聞かれた日、私は黙ってしまった

大学に入ってすぐの頃、クラスの雰囲気にも人にもなかなか馴染めず、いつも同じ席でお弁当を食べていた。そこにふと現れたのが、健太くんだった。 「ここ、座っていい?」 驚いたけれど、その声がやわらかくて、自然と「どうぞ」って言 … 続きを読む

傘を持ってなかった日、私は恋に濡れた

その日は朝から小雨が降っていた。私は天気予報を見ていたはずなのに、傘を忘れた。 最寄り駅を出たときには、すでに本降りになっていて、歩き出すこともできず、駅の出口で立ち尽くしていた。 「……やばい」声に出してしまった。 ス … 続きを読む

また、あのカフェで――言えなかった“好き”を抱えたまま

高校の時から一人でふらっと入るのが好きだった、駅前のあの古いカフェ。飾りっ気のない木のテーブルと、店内に流れる静かなジャズ。大学生になっても、空きコマの合間に本を読んだりレポートを書いたり、静かに時間を過ごせるその場所は … 続きを読む