“好き”って、言わなければよかった?
「……ごめん」 たった一言だった。でも、その“ごめん”が、私のすべてを壊した。 好きだった。どれくらいかって、呼吸するように、彼のことを考えてたくらい。 だけど──彼には、他に好きな人がいた。 それでも、想いが膨らんでし … 続きを読む
「……ごめん」 たった一言だった。でも、その“ごめん”が、私のすべてを壊した。 好きだった。どれくらいかって、呼吸するように、彼のことを考えてたくらい。 だけど──彼には、他に好きな人がいた。 それでも、想いが膨らんでし … 続きを読む
最初に彼の手に触れたのは、たしか、あの日だった。 金曜日の夜。サークルの飲み会のあと、最寄りの駅までふたりで歩いていた。酔ってはいなかったけど、夜の空気に少しだけ浮かれていたのは、きっとどちらも同じだったと思う。 彼 … 続きを読む
それは、四年生の春だった。 教室のロッカーにしまった赤いランドセルの中に、放課後、こっそり一通の手紙が入ってた。 「〇〇ちゃんへずっと前から、好きでした。よかったら、明日の休み時間に、図書室の奥に来てください。」 ──差 … 続きを読む
「〇〇、好きだよ」 名前を呼ばれた瞬間、心臓がどくんと跳ねた。 あの時の空気、今でも覚えてる。春の終わり、体育祭の準備で慌ただしかった放課後。みんなが教室に戻ったあとの体育館裏で、彼は、私の前に立っていた。 同じクラスの … 続きを読む
「一緒に帰ろっか」 高校の帰り道、彼はいつもそう言ってくれた。教室の窓際、三列目。私の席の斜め前。声をかけてくれるのは、いつも彼からだった。 最初はただのクラスメイト。でも、文化祭の準備でふたりきりになることが多くて、い … 続きを読む
その人の名前を、最後に口にしたのは──高校の卒業式だった。 「じゃあ、またね」って笑った君の顔が、あのときの私の世界の終わりみたいだった。それから私は、わざと忘れたふりをして生きてきた。新しい恋をして、忙しいふりをして、 … 続きを読む
その日も、断られるつもりでいた。 三度目の告白は、春の終わりだった。 風がやけに温くて、街路樹の緑が眩しかったことだけは覚えている。あの時も、君は困ったように笑って、首を横に振った。だけど、ちゃんと目を見て、返してく … 続きを読む
第1章:孤独とログイン その日も、私は誰とも話さずに講義を終えた。 春なのに、風は冷たくて、大学の構内には新入生らしい華やかな声が響いていた。だけど、私はその輪の中にはいない。通い慣れたベンチの端に腰掛け、リュックか … 続きを読む
「ねぇ、久しぶり。元気してる?」って、スマホに届いたLINEの名前を見た瞬間、心臓が跳ねた。大和からだった。 最後に話したのは、たぶん卒業式のときだった気がする。それからずっと連絡をとってなかったのに、なぜか突然思い出し … 続きを読む
あのときの雨の匂い、いまでも忘れられない。 コンビニのビニール傘の音が、彼の靴音と重なって、ぽつ、ぽつと響いてた。傘の中で彼が小さく笑ったとき、私はなんて返したっけ……。 どうして今になってこんなことを思い出すのか、 … 続きを読む
SNSでたまたま流れてきた、地元の夏祭りの花火大会の写真。何気なくタップしたその一枚の中に、あの夏のことを急に思い出してしまった。浴衣の袖をふわっと揺らしていた彼の後ろ姿まで、こんなにもはっきり残ってるなんて、自分でも驚 … 続きを読む