わたしが告白したのは、
自分が“欲しかったから”じゃない。
あなたが、誰にも見えないまま
傷ついていくのが、もう見ていられなかったから。
クラスで笑っているあなたは、いつも明るかった。
でも、廊下でひとりになったときの顔は、
あまりにも静かで、遠かった。
「誰か、気づいてよ」って、
声にならない叫びが、
その背中から滲み出てる気がした。
最初は、ただ“気にしてる”だけだった。
でも、誰も何も言わないのが、悔しくて。
ずっと誰かに救ってほしくて。
気づけば、
わたしの心が、あなたに染まってた。
好きだった。
けど、叶えたいと思ったことはない。
付き合いたいとも、思わなかった。
だって、
わたしのこと、見てないってわかってたから。
でも──それでも言った。
「……あのさ、わたし、ずっと好きだったよ」って。
その瞬間、あなたが泣いた。
その顔を、きっと一生忘れない。
「俺なんかを、なんで……」
そう言ったあなたを、
わたしは初めて“ちゃんと見た”気がした。
告白は、自己満足かもしれない。
勝手な押しつけだったかもしれない。
でもあの時、
あなたに“誰かの想い”を届ける必要があった。
わたしじゃなかったら、
きっと、あなたはずっと、
「誰にも必要とされていない」と思い込んだままだった。
あの告白は、
報われなくていいと思ってた。
でも、あの瞬間だけは、
あなたに“生きててよかった”って思ってほしかった。
だからあれは、
わたしのためじゃなくて、
あなたのための「好き」だったんだ。