夏祭りの帰り道、はぐれたふりをして手を繋いだ──中3の私の精一杯の背伸び
夏祭りって、なんであんなに特別なんだろう。屋台の明かり、遠くから聞こえるお囃子、浴衣の音。全部が非日常で、全部がちょっとだけ恋に背中を押してくれる気がする。 その日、私は中学3年。好きだったのは同じクラスの大翔(ひろと) … 続きを読む
夏祭りって、なんであんなに特別なんだろう。屋台の明かり、遠くから聞こえるお囃子、浴衣の音。全部が非日常で、全部がちょっとだけ恋に背中を押してくれる気がする。 その日、私は中学3年。好きだったのは同じクラスの大翔(ひろと) … 続きを読む
高2の梅雨。雨がしとしと降る放課後、校門の前で立ち尽くしている男子がいた。クラスの席が近い、佐々木くん。ちょっと無口で、でもたまにすごく笑うのが印象的な人。 「傘…忘れたの?」そう声をかけたら、佐々木くんが気まずそうに笑 … 続きを読む
中2の夏、私は近所の進学塾に通ってた。教室に早く着きすぎたある日、ひとりの大学生っぽい男の人が職員室から出てきて、廊下で私に笑いかけてくれた。「こんにちは、もう来てたんだね」その瞬間、なんか胸がズキンとした。 その人は塾 … 続きを読む
高3の秋。高校生活最後の文化祭が近づいていて、クラスではなんとなく盛り上がりつつ、でもどこか「これが最後か」っていう雰囲気も混じってた。 うちのクラスは「お化け屋敷」に決まった。正直、俺はどっちかというと「見てる側でいい … 続きを読む
高校2年の夏。父の転勤で、私は全然知らない土地に引っ越した。転校って、想像以上にしんどい。制服も違えば、方言も微妙に違うし、みんなの中に入っていくタイミングもわからない。 教室で「よろしくお願いします」って自己紹介したと … 続きを読む
その日、仕事が少し遅くなって、終電にぎりぎり間に合うかどうかのタイミングで駅に駆け込んだ。スーツのジャケットの内ポケットから定期券を取り出す余裕もなく、とにかく乗り込んだ車両のドアが閉まると、ほっと息をついた。 車内は思 … 続きを読む
大学2年の夏、正直、何をするにもやる気が出なかった。講義には行ってたけど、ただ出席してるだけ。友達ともつかず離れずの距離で、気づけば、家と学校とコンビニしか行かない日々が続いていた。 「そろそろ何かしなきゃな」と思って始 … 続きを読む
元カノと別れて半年くらい経ったある日、共通の友達から飲みに誘われた。「〇〇も来るって」って聞いて、ああ、久しぶりに会うなって思った。 〇〇ってのは、高校からの親友で、俺が唯一なんでも話せるやつだった。彼女と付き合ってたと … 続きを読む
彼女と最初に出会ったのは、大学のサークルの歓迎コンパだった。しかも、最悪な出会い方だった。 自己紹介のとき、僕が名前を噛んで、変な間で止まってしまったのがきっかけで、隣にいた彼女が思わず吹き出してしまった。 そのときの僕 … 続きを読む
大学2年の春、俺はずっと気になっていた女の子に告白しようとしていた。同じサークルの先輩で、きれいで、みんなの人気者みたいな存在。 俺なんかが好きになっても仕方ないって思いながら、それでも諦めきれずに、仲良くなって、誘って … 続きを読む
正直に言えば、昔から自分に自信があるほうじゃなかった。中学の頃も、高校の頃も、あまり目立たないタイプで、恋愛なんて自分には関係のない世界だと思ってた。 大学に入っても、人付き合いが得意なわけじゃなくて、授業が終わったらそ … 続きを読む