この人に出会ってしまったら、もう前の自分には戻れないって思った

人生で、一度だけ。そんな出会いがあるって、思ってなかった。 あの人に出会うまでは。 失恋もしたし、浮気もされた。自分を好きになれない日も続いて、誰かと一緒にいても、心はひとりだった。 “人は人、自分は自分”──そう割り切 … 続きを読む

20歳、差し引かずに抱きしめてくれた人

「好きです。年の差とか、関係ないんで」 その言葉に、私は思わず笑ってしまった。照れ笑いでもなく、茶化すでもなく──自分のことを、そんなふうにまっすぐ見てくれる人がこの世にいたなんて、まるで夢みたいだったから。 私は40歳 … 続きを読む

わたしが“わたしのまま”愛される日

“誰かに合わせないと、嫌われる”そんなふうに思ってたのは、いつからだったんだろう。 本音を言うと嫌な顔をされる。空気を読まないと仲間外れにされる。そうやって「いい子」を演じるのが、いつの間にか癖になっていた。 誰かにとっ … 続きを読む

会えない時間が、わたしたちの幸せを深くした

「2年、待てる?」 彼にそう聞かれたとき、すぐに「うん」とは言えませんでした。 大学4年の春、卒業を前にして、就職活動が始まるころ。高橋くんは、夢だった外資系企業の海外研修制度に合格して、2年間、ニューヨークへ行くことが … 続きを読む

転校初日に声をかけてくれたのは、まさかの無口な彼だった

高校2年の春、私は父の転勤で転校することになった。 新しい学校の初日は、期待よりも不安のほうがずっと大きかった。教室のドアを開けた瞬間、見慣れない顔ばかりの中で、どう振る舞えばいいのか分からなかった。 先生に紹介されて席 … 続きを読む

あと5日で、世界が終わるなら

「……あと5日だってさ」 そのニュースは、学校の昼休みに流れた。テレビ画面に映る政府の発表に、教室はざわつき、誰もが笑っていた。「また大げさな演出でしょ」って。でも、俺はわかってた。あれは嘘じゃない。 というのも、ちょう … 続きを読む

お弁当を交換した日から、ちょっとずつ心が近づいた

高校に入ってすぐの頃、私はお昼休みがちょっと苦手だった。 友達ができるのが遅くて、一人でお弁当を食べるのが気まずくて、教室の隅っこで食べたり、たまにトイレにこもったり。誰にも嫌われてるわけじゃないのに、なんとなく輪に入り … 続きを読む

傘がなくて立ち尽くしてた私に、さりげなく差し出されたあの傘

予報では降らないって言ってたのに、放課後の空はどんよりと曇っていて、校門を出た瞬間にぽつぽつと雨が降り出した。 「うそでしょ……」 私は傘を持ってなかった。近くのコンビニまで行くにも、濡れるしかない。でも制服は洗ったばか … 続きを読む

その人は、旅先で見た夕陽みたいにきれいだった

大学4年の春休み、私は一人で沖縄に行った。ゼミの論文も就活も終わっていて、でもなにか心がぽっかりと空いたまま。 ふと、スマホで「ひとり旅 おすすめ」と検索して見つけた格安ツアーに、半ば勢いで申し込んだ。 2泊3日、名護の … 続きを読む

あの人、初めて会った気がしなかった――陶芸教室で出会った彼と

大学の卒業を控えていた冬、私は就活や卒論の疲れから、心が少しだけすり減っていた。 家と大学、図書館とカフェを往復するだけの日々。SNSを見ても、誰かと比べては落ち込んでばかり。 そんなとき、たまたま駅前で見かけたポスター … 続きを読む

傘を持ってなかった日、私は恋に濡れた

その日は朝から小雨が降っていた。私は天気予報を見ていたはずなのに、傘を忘れた。 最寄り駅を出たときには、すでに本降りになっていて、歩き出すこともできず、駅の出口で立ち尽くしていた。 「……やばい」声に出してしまった。 ス … 続きを読む