この気持ちは、秘密のままでよかったの?
「今日は会えないかも」そのメッセージが届いた瞬間、スマホをぎゅっと握りしめてしまった。頭ではわかってた。彼には“帰る場所”がある。わたしは、その隙間にいる存在にすぎない。 でも、会いたかった。声が聞きたかった。週に一度の … 続きを読む
「今日は会えないかも」そのメッセージが届いた瞬間、スマホをぎゅっと握りしめてしまった。頭ではわかってた。彼には“帰る場所”がある。わたしは、その隙間にいる存在にすぎない。 でも、会いたかった。声が聞きたかった。週に一度の … 続きを読む
私の日常は、白い壁と消毒液の匂いに包まれていた。 私は、この病院に入院している患者。そして彼は、私の担当医。歳は私より少し上で、いつも冷静で、患者や看護師からの信頼も厚い。彼の名前を呼ぶ時、私の心臓はいつもドクンと小さく … 続きを読む
私の初恋は、高校の放課後、彼が部活に向かう、少し猫背な後ろ姿だった。 彼は、クラスの誰よりも優しくて、いつも静かに、でも、人の痛みに寄り添うような人だった。一度、私が転んで怪我をした時、何も言わずに絆創膏を差し出してくれ … 続きを読む
蝉の声が降り注ぐ、うだるような夏の午後。リビングのソファで、私は読みかけの雑誌を膝に置いて、ぼんやりと庭を眺めていた。もうすぐ、息子が友達を連れて帰ってくる時間だ。いつもの日常。いつもの夏。そう思っていたのに、あの日から … 続きを読む
「彼女いるんだよね」その言葉を聞いたとき、ほんの少しだけ、ホッとした自分がいた。 だって、“好きになっちゃいけない”って、理由ができたから。 なのに──その後も、彼の言葉や表情が、私の中に静かに染み込んでくる。 「彼女が … 続きを読む
彼女は、二軒隣の家に住んでいた。 朝、ゴミ出しのときにすれ違う。帰り道、玄関先で花に水をやっている姿を見る。それだけだった。 だけど──いつからか、目で追ってしまうようになった。 彼女はいつも、柔らかく笑ってた。「おはよ … 続きを読む
「好きな人できたんだ〜」そう言って笑う親友の目は、いつもよりちょっとキラキラしてた。 「誰?」って聞いても、最初は教えてくれなかったけど、何度か茶化すうちに名前を教えてくれた。 ──それが、私もずっと気になってた人だった … 続きを読む
彼は、親友の彼氏だった。 最初は、ほんとに何もなかった。紹介されて、「へぇ、優しそうな人だな」って思っただけ。 でも、その“優しそう”が、想像以上だった。 いつも親友を気遣って、細かいところに気づいてくれて、どんな話にも … 続きを読む
私がその扉に触れたのは、偶然じゃなかった。大学の図書館の奥、誰も使っていない古い会議室。そこには“共用資料室”という名の、小さな部屋があった。そこにだけ、普通の学生証じゃ開かない鍵が必要だった。 「……それ、君も持ってる … 続きを読む
その人の名前を、最後に口にしたのは──高校の卒業式だった。 「じゃあ、またね」って笑った君の顔が、あのときの私の世界の終わりみたいだった。それから私は、わざと忘れたふりをして生きてきた。新しい恋をして、忙しいふりをして、 … 続きを読む
「ねえ、私たちって……付き合ってるんだよね?」 その問いを口にしたのは、付き合い始めて三ヶ月が経ったある夜だった。 コンビニの帰り道、ふたりで買ったアイスを食べながら歩いていた時。 唐突だったかもしれないけれど、ずっと胸 … 続きを読む