「好きだよ」
何度言っても、その言葉は、あなたに届かない。
言葉にしたとき、あなたは困った顔をした。
笑って誤魔化した。
あるいは、なかったことのように、話題を変えた。
わかってた。
最初からずっと、私のことなんて、
“そういう目”で見てなかったって。
それでも言いたかった。
知ってほしかった。
“わたしは、あなたをこんなにも想ってるんだよ”って。
毎朝、あなたが通る時間に合わせて駅の改札に立った。
おはようの声が欲しくて、
でもあなたが来るだけで、それだけで息ができた。
メッセージを送っても、既読はすぐにつくのに、
返信はいつも「ごめん、忙しくて」。
でも、あなたは優しかった。
突き放すことも、拒絶することも、はっきり言わない。
私の“好き”を壊さないように、曖昧に保ってくれた。
それが、いちばん苦しかった。
ある日、私はあなたに言った。
「ねぇ、私って……何?」
「友達、でしょ」
一瞬も迷わずに、そう返ってきた。
その言葉で、私は終わった。
……のに、
なぜか、それでも、会いたくなる。
声が聞きたい。
触れたい。
あなたの存在に、少しでも近づきたい。
もう、好きとかじゃないのかもしれない。
それでも私は──
「あなたと繋がっていたい」って願ってしまう。
例えそれが、あなたにとっては「負担」だとしても。
「迷惑」だとしても。
この感情は、私の一部だから。
存在ごと、あなたにぶつけてしまったから。
あなたにとって私は、
“恋愛じゃない誰か”かもしれない。
でも、私はあなたを、
“ただの友達”としては見れなかった。
もう何をしても、
どれだけ伝えても、
あなたの心には届かない。
それでも私は、
あなたと同じ空の下にいるこの世界を、
少しだけ好きになってしまったんだ。